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東海道中膝栗毛発端(とうかいどうちゅうひざくりげのはじまり)

原文

東海道中膝栗毛発端 原文25

▼開

弥次さん、おめへも腹(はら)がたつたろうが、どふぞ了簡(りやうけん)して、この取始末(とりしまつ)をしてくんなせへな。」 弥次「おれをば、いろ/\な目にあはせる。」 北八「なんぼ勘当(かんどう)同然(どうぜん)にした女でも、斯(かう)なつては親(おや)の所へもしらせずばなるめへ。誰(だれ)をやつたものだろう。」 いも七「ソリヤアわしでもいつてやろうが、ぜんてへ、是はどふいふ訳(わけ)か、さつぱりわからねへ。おらが新道(しんみち)の肴(さかな)やに預(あづか)つてゐた女、余所(よそ)の隠居(ゐんきよ)の妾だが、片付(かたづけ)たい世話(せわ)してくれろと頼(たのま)れたから、こゝの内へ仲人(なかうど)したが、今きけばおめへの女房とは、どふした

理屈(りくつ)だ。」 北八「マア/\あとでわかる。其肴(さかな)屋といふは、おいらが親(おや)かたの所の出入。預(あづ)けておゐたは、やつぱりおいら、マアそれよりか、はやく親の所へしらせてへ。それも、その肴屋までしらせると、親の内へあそこからしらせてくれる。」 いも七「そんならいつて来やせう。」【ト、いも七は出てゆく。きんじよの人々手つだいて、そこらとりかたづけ、めい/\くやみをのべあいさつして、みな/\ひとまづかへると】 北八「何にしろ、わつちはちよつといつて来(こ)やう。ゆふべそつと出た侭(まゝ)だから、あとはいゝやうにたのみます。」【ト、かみいれから金二歩出して弥次郎にわたし、出かけんとする所へ、ほうばいの与九八きたり】 「ヲヤ/\きた八どの爰にか。親(おや)かたが