お江戸のベストセラー

東海道中膝栗毛発端とうかいどうちゅうひざくりげのはじまり

現代文

弥治郎 賛

弥治郎 賛

もとより野良もの
顔かたちは道化方
心意気は色事師
おしゃべり、みなスカタン

河豚ふぐさげて、横にふくれた男かな」

喜多八 賛

喜多八 賛

これ、初めは陰間かげま(男娼)
いやしくて買い手少なし
なすこと、たろべえ駕籠
お先者(お調子者)、足にまかせて飛ぶ

「松竹は、かたい、かたいと柳かな」

注釈

たろべえ駕籠
何をやっても同じことの意。当時の流行語。酔っぱらった太郎兵衛がカゴに乗ったが、底を抜いてしまって結局カゴといっしょに走るハメになったという笑い話による。