浄光明寺
①
じやうくわうめうじのけいだいぢおんいんにやひろい
ぢぞうありあみひきぢぞうはこのさんちうに
ありふじはらのためすけのとうそのうしろなり
かげきよつちのらうはけわいざかの山ぎはに
あり
狂歌
あみ引のぢぞうのまへの
ちや屋にきてあとひき
ぢざけのむぞたのしき
②
「なんでもたびではとほうもなくぜに
をとられることがあるからうつかりとは
のめぬそれともきかうがたのおふる
まひならうつかりとのんでもよい
「なにたびへ出ておふるまひといふことが
あるものかなんでもわりあいさつきに
きこうがのんだあまざけの八もんは
おれがだしておいたからよこしなさい
「きこうきたないことをいふそういふと
きのふわたしせんのニもんよこ
さつし/\
「イヤ/\あれはゆきのしたの
たんこのせに四文さしひくと
そつちから二もんつりを
とらねばならぬたつたいま
かんちやうさつしそれ/\
女がきたエヘン/\
③
「もふ
いち
ごう
やりた
いが
いつそ
のこと
ひと
てうし/\
荒居焰魔
④
それよりひめがやつあらいのゑんま
くちにおさなこのつけひもをくわへ
あるはいわれあることなるべしかい
ぞうじほんぞんなきやくしといふ
むかしこの山中にてまいよこどもの
なくこゑありそのちをほりてこの
やくしをえたりこのもんせんにそこ
ぬけの井といふあり
狂歌
たうとさはたぐひあらゐの
ゑんまどうまいらぬ人も
なきやくしなり
⑤
「もし/\かみさんあらゐの
ゑんまさまは
これかのゑんま
さまはおやどに
ごさりま
すかへ
「今おくに
うたゝねを
してござり
ましたあそこへ
いつてわに
ぐちをおたゝき
なさるとじき
におめを
⑥
おさましなさりますゑんまさまは
とかくわにぐちがおすきでわたしの
わにぐちを
たゝいて
みたいと
いつそわたし
をおはなしな
さいませぬ
から
お
まへ
さまは
そうづ
川のばァ
さまといふ
おめかけ
さまがあるからその
わにぐちをおたゝき
なされといいまし
たらいやもふ
あのばゞのは
わにぐち
ではないもく
ぎよのやうに
ぼく/\していか
ぬとおつ
しやりました