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方言修行むだしゅぎょう 金草鞋かねのわらじ江之島鎌倉廻えのしまかまくらめぐり

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長寿寺・明月院

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長寿寺ちょうじゅじ明月院めいげついん

宝亀山長寿寺は亀ヶ谷にある。足利基氏もとうじ公の建立で、むかしは、たいそうな伽藍の大寺だった。浄智寺は、鎌倉五山の四番目である。開山は宋の仏源禅師ぶつげんぜんじ、開基は北条師時もろとき
その向かいに明月院という寺があり、上杉憲方のりかたが建立した。
この上の山を六国見ろっこくけんという。ここからは、安房、上総、武蔵、下総、相模、伊豆の六国が一目で見わたせる。

狂歌

けいだいの きれいさほうき ざんなれば
ばくばかりなる どうのほりもの

境内のきれいさ宝亀(箒)山なれば
獏(掃く)ばかりなる堂の彫り物

旅人Ⓐ「上方の宿屋には五右衛門風呂というのがあって、たいがい底板が浮いてるから、ウッカリそれを取りのけて入ってしまって釜でヤケドをする。昨夜の宿もその風呂で困りはてた。」

旅人Ⓑ「わしはまた田舎へ行ったとき、風呂へ入ったところが、あんまりぬるいから、
『これこれ、ちっと湯を焚いてくだされ。』
と言うと、宿の男が、
『かしこまりました。』
と、ワラで編んだ大きなおひつのフタのようなものを持ってきて、湯に入っているわしの頭の上からかぶせようとする。
『これは、どうするのだ?』
と聞くと、
『風呂にフタをして焚きます。』
と言う。
『待ってください。そのフタを頭からかぶせられて火を焚かれたら、ゆで殺されてしまう!』
と、わしがあわてていると、
『いやいや、このフタの穴から首を出しておいでなさい。』
と言うから、よくよく見れば、そのフタの真ん中に首を出すほどの穴が開いていて、身体はよい風呂に入っていながら、フタの穴から首ばかり出している。そのおかしさ、
『さらし首のようだ。』
と大笑いしたが、旅をするといろんなことがあるものでござります。」

子ども「獅子舞が来た。ししの十二文で舞ってください。」

旅人Ⓒ「江戸へ行ったら、京橋の仙女香せんじょこうを買ってきてくれと隣りの娘に頼まれたから、買ってこなきゃ。」

注釈

足利基氏
南北朝時代の武将。足利尊氏の子で、初代鎌倉公方。
仏源禅師
大休正念(だいきゅう しょうねん)
鎌倉時代に宋から渡来した臨済宗の僧。
北条師時
鎌倉幕府第十代執権。
上杉憲方
南北朝~室町時代の武将。関東管領。
ししの十二
4×4=12。子どもだから…。
仙女香
江戸京橋の坂本屋が販売していた白粉(おしろい)。ステマです。