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景政社・大仏
それから権五郎景政の社▲を過ぎて、甘縄明神▲の杜のあたりに盛久敷皮の跡塚▲がある。
宿屋村の先には大仏坂、日朗法師の土牢▲もこの近くである。
見越しの崎の大仏▲は、濡れ仏(露坐)で数丈の高さがあり、そのお姿は座像なのに見上げるばかり。六銭で大仏の胎内を拝ませている。ここは大異山高徳院という。大仏の高さは三丈五尺、膝まわりの横幅は五間半。
狂歌
大ぶつは かまくら山の ほし月夜
これ白毫の ひかりなりけり
大仏は鎌倉山の星月夜
これ白毫の光なりけり
旅人「なんと、京の大仏さまのお鼻の穴から人が唐傘をさして出るということだが、看板のお鼻がそれほどなら、さて、お金玉はどれほどの大きさか。
あなたは座像で座ってばかりだからよいが、立ってお歩きになるときは、そのお金玉がジャマになって、お金玉を大きな袋にでも入れて首からさげて歩かねばなるまい。
わしも疝気で並はずれて金玉がデカいので、いつも金玉を袋に入れて首にかけて歩きますが、さてさて、こんなジャマなものはない。しかし、わしにもたまにはいいことがあります。このあいだも仲間と一緒に勧化に出たとき、わしは首にかけてある金玉をポンポン叩きながら、
『おんあぼきゃあ、べいろしゃな』
と、唱えて歩きました。」