お江戸のベストセラー

方言修行むだしゅぎょう 金草鞋かねのわらじ江之島鎌倉廻えのしまかまくらめぐり

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景政社・大佛

景政社かげまさやしろ大佛だいぶつ

それよりこん五郎かけ
まさのやしろをうちすぎ
あまなはめうじんのもり
このあたりにもりひさ
しきがはのあとつか
ありやどやむらの
さきに大ぶつざかこう
とくいんにちろうほうしの
つちのろう此
へんなりみこし
のさき大ぶつは
ぬれぼとけにて
すじやうのみたけ
ざぞうなれども見あ
ぐるばかりなり六せんにて
大ぶつのたいないを
おがましむだいゐ
さんしやう/\せんじと
いふざぞうのみたけ
三丈五しやくひざま
はりよこ五けん半あり

狂歌

大ふつは
   かまくら山の
ほし月夜
これ白膏の
 ひかり
  なりけり

なんときやうの
大ぶつさまのおはなの
あなから人がからかさを
さして出られるといふ
事だがかんばんの
おはながそのくらゐ
なものだからさて
おきん玉はどのやうに
大そうなものであらう
あなたがざぞうで
すはつてばかりござる
からよいがあれが
たつておあるき
なさるたんになつたら
あのおきんたまが
しやまになつて
おひろいなさりにく
からうから大きな
してうのなかへでも
おきん玉をいれて
くびにかけてゝも
おあるきなされ
すはなるまいわしも
せんきで人なみより
きんたまが

おほきいから
ふだんふくろにいれて
くひにかけてあるきますが
さて/\こんな

じやまなものはないしかしわしには
またちやうほうなことも
ござります
この
あいだも
こうぢうと
いつ
しよ

くはん
けに
でたとき
わしは
くひに

かけて
ある
きんたまを
たゝいて
おんあほ
きやあ
へいろしやなと
いつて
あるき
ました