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扇ヶ谷・源氏山
東光山英勝寺▲は扇ヶ谷にあり、ここは太田道灌の旧跡でもある。このあたりでは随一の大寺で、諸堂の荘厳さは比べようもない。本尊は阿弥陀仏で運慶の作と伝わる。山門と惣門の額は宸筆▲。境内に沢庵和尚の石盤がある。
英勝寺の西側の山を源氏山▲と呼ぶ。阿仏尼の塔▲は、英勝寺の北にある。
狂歌
げんじ山 ひかる日の出は すへひろの
あふぎがやつの かすむあけぼの
源氏山光る日の出は
末広の扇ヶ谷の霞む曙
旅人「あの飴を買っている年増は、なかなか、まんざらでない顔立ちだ。流し目でわしを見るのは、わしに気があるとみえる。ドレ、ちょっと聞いてみよう。
モシモシ、おかみさま、ちとおたずねしたい。おまえ、わたしに気がありますか? 惚れなさったか? どうでござります?」
女「ナニ! わたしが惚れたか、気があるかとは、この野郎めはとんだことを言う。うぬのような不景気な野郎に、だれが惚れるか! たわごとぬかすと横っツラはり飛ばすぞ!!」
住職「今日は、大ぶん参詣のある日だわぇ。晩には、賽銭箱の勘定をいたそう。」
参詣「これはしまった、小銭がない。四文銭を賽銭に投げるのも、もったいない。借りにして、ただ拝んでおこう。貴公もそうなさい。」