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佐竹天王・本覚寺

佐竹天王さたけてんわう本覚寺ほんかくじ

ゆいのはまとりゐのうち
にいりてゑんま川を
わたり身がはりぢ
ぞうつじのやくし
さか川のはしをうち
わたり大まちさた
けてんわうのみや
にいたるそれより
大きやうじほうかくじ
にゆきて中のとりゐ
まへびわはしにいづる
なり

狂歌

たびはうき身
     がはり地蔵ぢぞう
ふしおがむこれも
  他生たせうのゑんま
         川かな

「そなたをかごにのせずに
あるかするもわれらりやう
けんあつてのことだからたいぎ
であらうけれどせいだして
あるいてくださいばんのとまりに
あんばいのよいところをせう
くはんいたすのがわれらなに
よりそれがたのしみだ
「さやうならわたしはせいだして
あるきませうがあなたはおかごに
めしませあまりおくたびれなされ
たらばんのおやくにたちますまい
「きづかいしやるなこんなことで
くたびれることではないわしの
あるくのはりやうあしを
すりこぎにいたそうと
思つての事たそうなると
いつほんのすりこぎが三
ぼんになるからそなたは
さぞうれしからうどうだ/\
「だんなさまのすり
こぎはあてがあるから
よろしふござりますが
つまらぬはわたくしの
すりこぎでござります
まづこゝにさしたニほんの
すりこぎとりやうあしから
つがう五ほんのすりこぎに
おかごのしゆうのすりこぎが
ふたりて六ほんそれに
りやうがけもちのべくないが
すりこぎか三ぼんつがう
しめて十四ほんみなふようの
すりこぎこのいたしかたが
ごさりませぬなんと
たんなさまこれは

いかゞいたしませう
「それはこうするがよい
らいはるやまとめぐりに
ゆくからそれまでまつが
よいそのときそのすり
こぎはみなかうやへ
でもをさめてしまうが
よからう/\

「これからかな
ざはへいつて
あみをひかせて
おもいれ
さかなを
とつて
みなの
もの
にも
うまい
さけを
一はい
づゝ
のませ
よう
なんと
うれ
しいか/\
その
かはり
二はい
とは
ならぬぞ