お江戸のベストセラー

方言修行(むだしゅぎょう) 金草鞋(かねのわらじ)江之島鎌倉廻(えのしまかまくらめぐり)

13

若江嶋・若宮

▼開

若江嶋(わかえのしま)・若宮(わかみや)

①

それよりくはうめうじ
六かくの井いひじまより
こつぼみちありわか
えのしまはなみうち
ぎはにいろ/\のかたち
したるいわどもいくつと
なくならびたちて
けしきよしわか
みやはむかし
つるがおか
八まんぐう
此ところに
ありしをより
ともこう
いまのとこ
ろにうつし
給ふそのあと
をわかみやと
いふいたつて
ぜつけいの
所なり

狂歌

こゝに
きて
じゆめう
のびたる
こゝちせり
いつもわかえの
しまのけしきに

②

たび人
「もし/\物がとひたいわしの
くせでうつくしいむすめの
きうじでなければめしがくへ
ぬがなんとこのあたりによい
むすめのあるはたごやが
あらばをしへてください
「うつくしいむすめのあるうち
ならこのさきの大きな内へ
とまりなさいあすこの
むすめにきうじをさせ
たらさぞかしめしが
うまくくへませう
「それはうれしいが
そのうちははたごや
でござるかの
「いや/\やどやでは
ない大じんのうちだ
から人はとめます
まいがしかしゆきく
れてなんぎいたし
ますどうぞ

③

とめてくださいとたのんだら
ほうしやにとめるかもしれぬ
むしろでもしいてねさせま
せうからそのむすめにきうじを
させるかはりむすめのくひ
のこしたもの
でも
もらつて
あがり
なさ
い

④

そのかはり
はたごは
とらずほう
しやにたゞ
とめるで
ごさ
らう
「そん
なら
むすめに
きうじを
させるよりか
たゞとめて
くれるなら
ぜにが
いらぬで
よいから
そんなら
それに
いたそふ/\