お江戸のベストセラー

方言修行むだしゅぎょう 金草鞋かねのわらじ江之島鎌倉廻えのしまかまくらめぐり

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杉本観音

杉本観音すぎもとかんのん

かなざわよりまた
かまくらへもどるみちに
もとうじのやしきあと
みぎのかたにすぎ
もとのくわんおん大そう
さんといふばんどう
じゆんれいの第一ばん
ふだしよなりここに
なめりかわありあを
とさへもんのぜにを
おとせしこせきなり
またすぎもとのひが
しにじやうめうじ
かまくら五さんのうち
せんしうの大てら也
とうかさんといふ
こゝにたゞよしの
もくぞうあり

狂歌

富ならで
第一ばんの
すぎもとはあたり
札所のくわん
おんにこそ

たび人
「わしはこのあいださいし
にわかれちからがおち
ていつそのことぼうず
にならうと思つて
あたまをはんぶん
そりかけたが
いや/\ぼうず
にならず
ともこれ
なりで
さいこく
じゆんれい
でもし
よふと
思つて出
かけまし
たがかはつ
たことには
とかく
まい日
ためして
みるに
ひる
まへは
する
こと

なす
ことまがよくて
ひるすぎ
からはどうも
しあはせがわる
いはどうしたこと
だとよく/\かんがへ
てみたらその
はづのことがある
わしのあたまが
みぎのびん
さきからそり
おとして半ぶん
ぼうずに
なり
かゝつて
やめた

もの

から

あたまがはんぶん
しろくはんぶん
くろいものだから六
ようの内のせんしやう
にちといふものに
なつたからのことさ
なんとものはあらそ
われぬ
ものじや
ないかへ

「むかうへゆくとし
まのしりつきが
むつちりとして
どうかあん
ばいがよさ
そうだどふ
ぞこのじゆん
れいに
御ほうしや
してくだ
さる
まいか