お江戸のベストセラー

方言修行(むだしゅぎょう) 金草鞋(かねのわらじ)江之島鎌倉廻(えのしまかまくらめぐり)

7

朝比奈切通・六浦

▼開

朝比奈切通(あさひなきりどおし)

①

それよりかなざはにいたるに大くらに
いでてほうしやうのやしきあとよりつね
しやうぐん御だい/\のやかたのこせき
よりともこうやしきあとうたの
はしをすぎてあさひなの
きりどほしにいたるこの
さきじゞう川をすぎて
てるてひめみかはりの
くわんおんありかま
くらよりきりどほし
まで一りこれより
かなざはへ一り

狂歌

あさひなの
ちからならねど
  たび人も
ひけるかすみを
きりどほしみち

②

「なんと此きりどほしは
あさひながきりぬい
たといふことそして
もんをもやぶつたといふはちからの
つよい人しかしわしも六十になるが
むしろをやふることにほねのおれぬ
からとうぞむしろよりかどこぞの

③

むすめの
いとだて
をやぶり
たいが
かみさん
おまへにむ
すめのいとだ
てがあるなら
やぶらせなさい

④

「むすめのいとたてより
わしのむしろはどうでこざる
わしのむしろはやぶらずとも
もふとうからやぶつてごさるから
そんなにほねはおれませぬ

六浦(むつうら)

⑤

むつうらをすぎてかなざはの三しまめうじんの
やしろびわじまべんざいてんよりあづまやといふ
みはらしよきちややにいりてあみぶねの
ゆさんはまぐりとりのなぐさみあり
ここのにはのいけすにいろ?のさかな
ひれふりあそぶさまうみのうをの
いきたるはとくわいの人のめには
めずらしく見へ
たり

狂歌

いつかはと
まちしねがひも
   かなざはの
あづまや
  に見る春の
      八けい

⑥

「さあ/\おきやくだよ/\
おくのおざしきはあいて
いるかなんてもうつく
しいぞろひの女ちう
がたばかりその
かはりそう/\
しいばかりでたん
とのぜにもなる
まいけれどよもや
くひにげはある
まいなんでも
そろひの

⑦

きもので
かねを
つかひそう
にはみへても
つふりには
べつこうと
見せて
いまはや
りの
びいどろ
だから
そのきで
いきなさい