佐助稲荷・岩屋堂
①
それよりさゝめかたに
いまかうしをすぎ
て右の
かたに
てんく
とう
あり
ひたりの
かたに
たつみの
くわうしん
かつかばし
をわたりてひたりのかたには
さすけいなりのみや右のかたへ
ゆけはいわやとう
しやうけんししやう
くわうめうじいたつ
て大てらにて
けいたいひろし
見どころおほし
狂歌
名どころは
きびつの
鉄にあらねども
なりひゞきたる
かまくらのさと
②
「わしはこのやうにみを
やつしてあるきますが
わしはこれでもかたき
うちでござる
わしがかかあをほう
はいのをとこめが
つれてにけたからその
めかたきをうたねはくにへ
かへられぬからそれて
このやうにすがたをやつして
あるきますかたきの
をとこはわしより
よつほとつよい
おとこだから
ひよつとめぐり
あつたところで
わしがかへりうちに
なつてはつまらぬから
とうそめくりあはぬやうに
おもつてかたきはさいこくに
をるといふことをきいたから
それでわしはわさととうこくを
たつねてあるくかそれでも
とうもこゝろつかいてひよつとどう
いふことでそのかたきにあふまいもの
てもないとおもつたかきのうくにの
ものにとちうであつてきいたら
そのかたきのをとこはこのころてん
ちくのよつかいちへひつこしたと
③
いふことたからそれを
きいてやう/\こゝろか
おちついたから
うれしい
「そんならその
をとこはかり
てんちくへひつ
こして
女はとうかい
たうの
をかさきに
ゐると
みへるな
なせといふに
きさまめかたき
うちなら
をかさきの
ちよらうに
ちがひはない
はて
めがたき
ぢよろしゆは
よい
ぢよろ
しゆと
いふから
④
「これはよい
ひあたりた
わしもこゝで
ひなたほこ
しなから
虱かりを
いたさう