荏之嶋弁才天
①
きんきさんゑのしまべんざい
てんはかみのみやしものみやほん
ぐうおたびしよいつれもけつ
こうくわれいなりべつとういわ
もといんかみのぼうしものぼう
ありまたいわやのべんてんほらあなの
うちにたゝせ給うとうごくぶそうの
けいちなりめいぶつかいざいくいろ/\
あはびのかすづけありはるはゑどのさう
かくさんけいおほくいたつてにぎはしく
くんじゆなすはまつたく御かみのりせう
いちじるきゆへなりまいとし四月かみの
みの日みのこくにいわやほん
ぐうより山上のおたび所
までおんがくにてさいれい
あり
狂歌
むらさきのかすみに
あけのたまがきや
こくさいしきのえの
しまのけい
②
「なんとむかしの
きよもりと
いふひとはいつく
しまのべんてんさまに
ほれ
た
と
いふことだが
おいらもどうぞ
べんてんさまを
女ぼうにほしい
ものた
「とんだ
ことをいふきさまと
きよもりとひとつ
になるものかきよ
もりはほとけを
めかけにした人だ
からそのはづの
ことだ
「イヤそういふな
おれもほとけを
めかけにした
ことがあつた
「なにきさまの
めかけのほとけと
いふはいつぞやきさま
のうちにいそうろう
にゐたびくにばゞあの
ことであらうせけんには
いろ/\があるおらがとなりのわれ
なべやのていしゆがとぢぶたを
女ぼうにしてゐるはそうおう
だがそのむかふのげたやの女ぼうは
やきみそまだつりあはぬはしんみちの
てうちんやのていしゆはつりがねを
③
女ぼうにもつてゐる
「これ/\われなべやの
とちぶたもよしけた
やのやきみそと
いふはあのかゝしゆは
やきてだといふ
ことだからそれで
やきみそはきこへ
たがてうちんやの
女ぼうをつりがねと
いふはどうした
わけだ
「イヤ女ぼうのあだなを
つりがねといふは御てい
しゆのつくたびに
いつもかん/\と
うなるそう
だから
それでつりがねと
いひます