戸塚
①
きよねんのかねのわらじ
いづの国の一けんよりひき
つゞきはこねのなゝゆ
めぐりからえのしま
かまくらをまはり
なが/\のだうちう
つゝかなくこゝろを
なぐさめいの
ちのせんたく
してこれからながいき
するたねをまき
めでたく江戸へかへり道
こよひはとつかのしゆくの
なかむらやにとまり
もはやあすは江戸
いりたひのなごりなれば
たがひにそのみのぶじを
よろこひさけくみかはしてめで
たくこのきかうのふでを
とめけるぞまた/\
めでたし/\
狂歌
達者にて
りゝしく
かへるあしもとは
これあつらへの
紺のたびなれ
②
「おんなどもがひさしいねがひて
はこねのたうぢからもどり
にえのしまかまくらを
見たいといつたがこれで
なにもいひぶんはあるまい
そのかはりたれでもこれ
からはわしがいふことを
なんでもきかねばならぬが
しやうちであらうの
「あい/\それはもふあなたのほう
からおつしやらぬさきに
わたくしどものほうからもちかけ
ませうそのかはりには
らいねんまたいせさんぐうから
やまとめぐりがいたしたうこざります
からつれていつてくださりませ
「それはこのかねのわらじに
いせさんぐうはあつたが
まだやまとめぐりや
ばんしうめぐりはない
それにさいこくも
ながさきまで
大さかからふなぢは
あつたがりくみちかないから
おい/\にかくであらう
③
「だん
なの
おかごは申し
つけておき
ました