お江戸のベストセラー

方言修行むだしゅぎょう 金草鞋かねのわらじ江之島鎌倉廻えのしまかまくらめぐり

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戸塚

戸塚とつか

きよねんのかねのわらじ
いづの国の一けんよりひき
つゞきはこねのなゝゆ
めぐりからえのしま
かまくらをまはり
なが/\のだうちう
つゝかなくこゝろを
なぐさめいの
ちのせんたく
してこれからながいき
するたねをまき
めでたく江戸へかへり道
こよひはとつかのしゆくの
なかむらやにとまり
もはやあすは江戸
いりたひのなごりなれば
たがひにそのみのぶじを
よろこひさけくみかはしてめで
たくこのきかうのふでを
とめけるぞまた/\
めでたし/\

狂歌

達者たつしやにて
   りゝしく
かへるあしもとは
これあつらへの
   こんのたびなれ

「おんなどもがひさしいねがひて
はこねのたうぢからもどり
にえのしまかまくらを
見たいといつたがこれで
なにもいひぶんはあるまい
そのかはりたれでもこれ
からはわしがいふことを
なんでもきかねばならぬが
しやうちであらうの
「あい/\それはもふあなたのほう
からおつしやらぬさきに
わたくしどものほうからもちかけ
ませうそのかはりには
らいねんまたいせさんぐうから
やまとめぐりがいたしたうこざります
からつれていつてくださりませ
「それはこのかねのわらじに
いせさんぐうはあつたが
まだやまとめぐりや
ばんしうめぐりはない
それにさいこくも
ながさきまで
大さかからふなぢは
あつたがりくみちかないから
おい/\にかくであらう

「だん
なの
おかごは申し
つけておき
ました