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比企谷妙本寺・田代観音

比企谷妙本寺ひきがやつめうほんじ田代観音たしろくわんおん

大みどうは
よりとも公
はじめて
こんりうし
給ふせう
ちやうじゆ
いんのあと
なりしや
かどうが
やつは
大みどう
のひがし
ほう
ぜう
やす
とき
こん
りう
せし
しやか
どうのあ
となりもん
がくのやしき
あとはこの
にしのかたに
ありこのへん
びやうぶ山
かさいがやつ
ひきがやつ
めうほんじ
にちれん
しういけ
かみほんもん
じのもち
なりこのみ
なみばん
とうのふだ
しよ田しろくわん
おんあり

狂歌

かまくらひ
どれと見へたる
酒のみのあと
ひきがやつ
ちや屋にうかるゝ

「なんとこれからいつ
そのことうらがは
からふねにのり
てぼうしう
のほうへいかふ
ではないか
「きさまはひとりみた
からどこへ

いつてもよいがおいらは
さいしのあるものだは内
の女ぼうがおれがねれ
てかへるをたのしんで
まつているだらうかへし
/\ひもじいめをさせて
おくのがかわへそうだ
「これはおかしい
なにおまへの
かゝしゆがひもじい
めをしている
もの

いまごろは
おまへより
わかいおとこ
をこし
らへて
ちつとも
ひもじい
めを
すること
ではないからきづ
かいしなさるな
「そんならこれからどこへ
いつてもよいがわしがうち
をあんじるはそこ
ばかりどうして
またおらが女ぼうの
ひもじいことのないことを
しつてゐるかかてんがゆかぬ
「それは此まへおまへが
いせへいつたときその
るすちうかみさまが
いろおとこをこしらへて
ひもじいめはせぬことを
わしは
よく
見て
しつているから
それでこんども
そんなことて
ありませう
「そんなら
それで
おちついた
さあ/\
これ
から
ほう
しうへ
なりととこ
へなりと出かけ
るのだ

「たびは
ういものつら
いものといふが
それはぜになしのことだ
こつちはぜにありだから
おもしろい/\

「なんと
おれがをどりは
いろけがある
たらう
それだから
今まで大せい
女のけんふつが
あつたものを
みなとこ
へかをどり
なくして
しまつた