鶴岡八幡宮
①
つるがおか八まんぐうはかまくらの
ちうわうにありいにしへは
ゆいのはまにありしをより
ともこうこゝにうつし給ふ
すべてぞうゑいぜんびを
つくしほんぐうはわうじんてん
わうしんぐうくはうごうたけの
うちのやしろよりともの
やしろしらはためうじんといふ
そのほかまつしやおほしいしだん
のしたに大ぼくのいてうのき
ありむかしとうしやのべつとう
あじやりくぎやうこのいてうのき
のかげにかくれてさねとも公を
うちたることあづまかゞみに
見へたり
狂歌
掃溜へおりしならねど
寉が岡塵に
まじはる
宮居たうとき
②
「なるほどけつこうなおみやで
ありがたいかみさまではないか
むかしこのしんぜんてしづかごぜんが
ほうらくのまひをしたといふこと
たがほうらくとはちやをほうじる
ものではないかそれをもつて
まひをするのかへ
「なにをいふちやをほうじるのは
ほうらくではないあれはほうろくさ
「それ/\ほうろくよ大さかでは
くじらのあぶらをとつたあとの
みどころをいりがらといつてうりに
くるがそのいりがらはしやうゆをかけ
てめしのさいやさけのさかなに
するがなか/\よいものだからわしが
きやうへいつたときやどやにゐると
そとへいりがらや/\とうつてきた
からこれ/\そのいりがらをかつて
くださいとうがらしじやうゆを
かけてさけのさかなにすると
いふとやどやのおんなどもが
わらひだしてあれはどうして
くはれるものではござりませぬ
ちやをほうじるものでござり
ますといふからそれはと
とびだしてみたらほうろくうり
なぜこれをいりがらや/\とうつて
あるくときいたらイヤいりがらとは申し
ませぬこれはいりがわらといつたので
ござりますといつたから大わらひいたしました