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根南志具佐(ねなしぐさ)

原文(三之巻)

根南志具佐 三之巻01

▼開

根奈志具佐(ねなしぐさ)三之巻(さんのまき)

去程(さるほど)に、龍宮城(りうぐうじやう)には先達(さきだつ)て閻魔(ゑんま)大王(だいわう)の勅命(ちよくめい)を蒙(かうふ)りければ、急(いそ)ぎ菊之丞(きくのぜう)を召捕(めしとる)べき評定(へうぢやう)あるべしと、諸(もろ/\)の鱗(うろくず)ども列(れつ)を正(たゞ)して相詰(あひつめ)ければ、龍王(りうわう)仰出(おほせいだ)さるゝは、我(われ)閻广王(ゑんまわう)の幕下(ばくか)に属(しよく)し、此(この)水中(すゐちう)界(かい)の主(ぬし)となり、多(おほく)の鱗(うろくず)を養(やしな)ふ事(こと)、皆(みな)大王(だいわう)の御恩(ごおん)なれば、かゝる時節(じせつ)に忠義(ちうぎ)を尽(つく)さずんば、いつの世(よ)にかは御恩(ごおん)を報(はう)じ奉(たてまつら)んや。しかはあれども世界(せかい)をへだてゝの事(こと)なれば、容易(たやす)く取(と)り得(う)る事(こと)かたかるべし。若(もし)此度(このたび)の御用(ごよう)を仕損(しそん)じ