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根南志具佐ねなしぐさ

原文(四之巻)

根南志具佐 四之巻01

根奈志具佐ねなしぐさ四之巻しのまき

行川ゆくかわながれはたへずして、しかももとのみづにあらずと、かも長明ちやうめいふでのすさみ、すゞりうみのふかきにのこるすみだがはながれきよらにして、武蔵むさし下総しもつふさのさかいなればとて両国橋りやうごくばしたかく、いざこととはむとえいじたる都鳥みやこどりひきかへ、すれちがふね行方ゆくへあき散浮ちりうかぶがごとく、長橋ちやうきやうなみふすりよう昼寝ひるねをするにたり。かたへには軽業かるわざ太鼓たいこくもひゞけば、かみなりへそをかゝへて逃去にげさり素麺そうめん高盛たかもりふりつゝの手尓葉てにはうつして、小人島こびとじま不二山ふじさんかとおも