之丞曰、我も兼て其望ありながら、事繁にまぎれて打過ぬれば、いざや一日出て遊んとの催。 然らば連をも誘ふべし。しかし、あまり大勢もそう/\しければとて、夫より来る十五日と日を定て、鎌倉平九郎、中村与三八なんどへ使して、いひものしけるに、何れもしかるべしとの返事なれば、いよ/\十五日早朝よりときはめ、 船中の事などつど/\に約して、八重桐は我家にぞ帰りける。
根南志草二之巻終
原文(二之巻)
之丞曰、我も兼て其望ありながら、事繁にまぎれて打過ぬれば、いざや一日出て遊んとの催。 然らば連をも誘ふべし。しかし、あまり大勢もそう/\しければとて、夫より来る十五日と日を定て、鎌倉平九郎、中村与三八なんどへ使して、いひものしけるに、何れもしかるべしとの返事なれば、いよ/\十五日早朝よりときはめ、 船中の事などつど/\に約して、八重桐は我家にぞ帰りける。
根南志草二之巻終