お江戸のベストセラー

根南志具佐(ねなしぐさ)

原文(二之巻)

根南志具佐 二之巻13

▼開

之丞(ぜう)曰(いはく)、我(われ)も兼(かね)て其(その)望(のぞみ)ありながら、事(こと)繁(しげき)にまぎれて打過(うちすぎ)ぬれば、いざや一日(いちにち)出(で)て遊(あそば)んとの催(もよふし)。 然(さ)らば連(つれ)をも誘(さそ)ふべし。しかし、あまり大勢(おほぜい)もそう/\しければとて、夫(それ)より来(きた)る十五日と日(ひ)を定(さだめ)て、鎌倉(かまくら)平九郎(へいくらう)、中村(なかむら)与三八(よさはち)なんどへ使(つかわ)して、いひものしけるに、何(いづ)れもしかるべしとの返事(へんじ)なれば、いよ/\十五日(じふごにち)早朝(さうてう)よりときはめ、 船中(せんちう)の事(こと)などつど/\に約(やく)して、八重桐(やへぎり)は我家(わがや)にぞ帰(かへ)りける。

根南志草(ねなしぐさ)二之巻(にのまき)終(おはり)