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風流志道軒伝(ふうりゅうしどうけんでん)

原文(巻之四)

風流志道軒伝 巻之四 13

▼開

少[し]も違ひこれなしと、弁舌をふるふて申[し]上[ぐ]れば、帝(みかど)をはじめ皆々大[ひ]に感心(かんしん)あり。今に始[め]ぬ日本人の智恵(ちゑ)なるかな、いそぎ其用意せよとて唐土中へ触(ふれ)をなし、紙と粘(のり)とを集[む]る事山のごとく、大船三十万艘を寄[せ]て追々に積立(つみたて)、経師屋(きやうじや)の類はいふに及[ば]ず、素人までも小細工のきゝたる者は召[し]出[だ]し、浅之進にも様々の賜(たまもの)ありて、不二山(ふじさん)張抜(はりぬき)太夫(たいふ)といへる官を給はり、日和(ひより)を見定め、三十万艘(そう)一度に出船ありけるは、目ざましかりし次第なり。

風流志道軒伝 巻之四終