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三升増鱗祖みますますうろこのはじめ

20

三升増鱗祖 20

くさぞうしの方には初どの軍
大小りをうしなひむねんこつずい
にてつしこのたびは楠りうの
はかりことを以て大がまへねつ
とうをたゝへ水はじき飛龍
水又は長ゑのひしやくなど
にてにえゆを
あびせければ
もぐさのせい
大きにへきゑき
しすくなきぶん
にて百丁にげあしの
はやきやつは
千てう
ばかりも
にけのび
たり
されば此のち
もぐさの
こうのう
かくべつに覚しは
此にへゆにてさら
されしゆへの事
なりとて今の世を
ゆざらしもぐさと
いひ其きゝ
かくべつ也
是より又あんじ
つけて温泉にて
さらしければ
つねのにへゆと
ちがひてばつくんの
こうある事也
ふでとさみとのなかよい
物で見しらせた
へんほうに
あついものへ
あついもので
もつて参らふ
きうとも
いはせぬ

かかる所にいけす稲荷
はくうんにうちのり
あらはれ給ひわだんを
とゝのへ給ふ
此たびのたたかひみな
孫兵衛平右衛門両人が
ぞくじやうのまよひ
より出たりまさご
ひめが病氣平ゆは
文武の
二道
車の
両わのごとくにて
一ほう
かけても
治しがたし
さればそのこうの
ゆうれつあるへからす
又いくさも
両度のせうぶ
五分
/\

わかれたば
いづれをいづれと
云がたし
此のちはしんてい
をう


かし
きやくい(隔意)
なく
まじ
わるべし

あらありがたや
いづれもいなりの
御たくせんなるぞ
軍をまとめ
引とれ/\