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三升増鱗祖(みますますうろこのはじめ)

18

三升増鱗祖 18

▼開

①

三ますやうろこがたや両人はいづの国
以来今もつてとなりといひことに
よりとも公へ心をはこびし事等
ひとかたならぬこん意にて朝夕
出あひて酒ゑんをなしうちくつ
ろきてをくそこなくつきあい
けれとも内心にては北條の
姫君病きしそんありしは
ひとへに切もぐさの徳
にてわかこうばつくん
なればなか/\
孫兵衛が及
ぶ所にあら
ぬをわが手
がらのやうに
せけんへ
いひふら
す事
はな
はだ
きつ
くわい
なりと
おもひ
けり
又

②

孫兵衛は
ひめ君の
きうをす
ゑとげし事
わがゑぞうし
を御らんありし
ゆへなれは
ひとへにゑ
ぞうしの徳
にして
平右衛門が
こうにあら
ぬを平右衛門
われ一人の
手がらの
やうにいひ
ふらす事
ごんごどうだんの
次第也と内心に思ひ
けるゆへにや両人酒
ゑんの上にてまどろ
みけるうちゆめにせう
ばいものゝせいれいあら
はれいくさ評定する

③

もぐ
さのせい
れいあら
われいくさ
ひやう
定する

④

輟耕録(てつこうろく)の十三科(くわ)にもすでに
鍼灸科(しんきうくわ)あり艾の
功能もつとも
大にして
よく
やまひをのぞく
いづれの書にもゑぞうし
を見て病ひを治すといふ
事はなしそれになんぞ
うろこかたやがおのれがてから
などゝいひふらす事きつ
くわいしごく也此おりをのか
さずゑぞうし
のぢんにをし
よせひともみに
もみつふさん

⑤

ゑぞうし
のせい
れい
いくさの
評ぎ

⑥

とにかくそのぶんには
すまされぬ一ト
いくさなく
てかなふ
まじ
惣して百人が百人若い
女中にきうのずき
なとしばいのきらひなはない
ものそのきうをたいくつなく
すへられたはこれたがこうであ
ろう四角な文字の本とちがひ
ゑぞうしときてはさじきへも
きりおとしへもむかず
といふ事なし
醫は意(い)也と
いへばこちのおや
かたのりやうじが
すなはちきどり
のばで三ますや
ごときの及ぶ所にあらず

Ⓐ

薫臍(くんさい)

Ⓑ

千梃入

Ⓒ

切艾

Ⓓ

古状

Ⓔ

正本

Ⓕ

青本

Ⓖ

黒本