お江戸のベストセラー

三升増鱗祖(みますますうろこのはじめ)

12

三升増鱗祖 12

▼開

※底本では、右ページの頼朝の絵が削除されていましたが、鱗形屋版を使って補完してあります。
①

こしもとせきや人
なき折りをうかゞひ
もくさやのむすこを
御居間へつれ来り
ひめ君に
あわせ申しその身は
きを通して
そのばをはづし
御つぎへゆく

②

わしが病
氣はそな
たをこひ
こがれての
事きう
を三ます
もすへ
たもそ
なたへ
のしん
ぢうと
おもふば
かりそな
たの心が
つれなければ
いくらきう
をすへたとて
こひわつらひが
なをろうか
おこゝろざしは有
がたふござりますれ
どもときまさゝまへ
きこへましては
お身のおために
なりますまい
こゝおは
なし
被成
ませ

③

北條時まさやうす
をたちきゝ
たとへの通りにむす
めと小ぶくろにはゆ
だんもすきもなるもの
ではないしかしきやつは
源氏の正とうよし
ともが三なんよりとも
ときゝ及べばむこに
とつてもふそくはない