①
御手いしやくだすりうあんがさしづによりひめきみの御びやうき御なぐ
さみのためさつそく山内や孫兵衛をよひよせければからかみびやうしをはし
めあを本あかぼん黒びやうし一まいのうるしゑ新はん古はんのかつ/\
とりあつめ持参しけり
此ときこしもとせきや孫兵衛をこかげへまねきひそかに
申けるはひめぎみの御びやうきは過しころつるかをか
八まんへ御さんけいの時切もぐさうりの若衆を見
そめ給ひよりの御恋わづらひ也此若衆はさ
だめて当国のものなるへければ何とぞ名と
ころをきゝ出しひめ君の恋をとりもち
さし上られよとはなす
②
それこそいと
やすい御用その
わかしゆはゝた
くしとなりの
もぐさや
道意と申
ものゝせがれ
さいわい
ひめぎみ
四くわの御
きうあそ
ばすはづ
と承れば
その
もぐ
さの
御用
に
こと
よせ御
出入を
ねがう
しゆだん
をめぐらし
ませう
③
そのわかしゆはとんと
しん車にいきうつしさ
このゑよりももちつと
にていやすよ