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人間一生胸算用(にんげんいっしょうむなざんよう)

10

人間一生胸算用 10

▼開

①

みな/\
申けるは
ほん
に
きが
つか
なん
だ
女
郎
かいに
かんじんの
手が
なくては
ならずのもりの
おながどりと
みなとり/\に
申ければ
きは
なるほどと
思ひ
さつそく
手を
よびにやる
そも/\
手といふ
やつがつかはれる
ば
かりで
あまりたのしみのなき

ものゆへ、こゝへきことはきたれども
ほかのものゝやうに、おもしろ
みもなく、たゞ大じんの
きがもつてゐるはながみ
ぶくろへ、ゑんりよなく手を
つゝこんで、たいこ、ちや屋
やりて、わかいものにしうぎを
やり、うれしがらせて
たのしむばかりなり
それよりとこおさまり
ければ、口はきのそばに
つきそいゐて、こゝぞ
口がはたらきをみする
ところと、いろ/\いやらしみを
いひかくれば、女郎も大じんと
みたるゆへ、しよくわいから
おもしろおかしくもてなし
すへは大くせつとなり
もしへ、まことがあらばほり
ものをしなんしヨといわれ
きは、ぐつとのろくなり
ほるきになりければ、むざんや
手はせなかへなにがし
一心命と
古風に、ながめいを
ほられる

②

女郎「ひきやうな
じつ
として
ゐ
なんし

③

手「おれが
ひきやうより
てめへたちが
ひきやう
ばかに
するのだ

「アヽいたひ/\
きうさい
きらひですへぬ
ものを
なんの
こずとも
よかつたに

「なをほつて
血(ち)かた
まるとは
おれが
せなかの
事さ

手はたいくつ
して、あたまで
けんをする
「ちへさャァ

④

「ごうさい

⑤

「むかし
くわんうは
ごをうち
ながら、うでの
ほねを
けづら
せたが
おまへは
けんを
うち
ながら
ほりものを
ほらせるとは
がうけつ
/\

⑥

「口がいふ
よいから
きゝづめで
口がいつそ
すくなつた
しかし
おれから
さきへ
生れた
から
しやれ
させ
ては
まけは
しない