①
みな/\
申けるは
ほん
に
きが
つか
なん
だ
女
郎
かいに
かんじんの
手が
なくては
ならずのもりの
おながどりと
みなとり/\に
申ければ
きは
なるほどと
思ひ
さつそく
手を
よびにやる
そも/\
手といふ
やつがつかはれる
ば
かりで
あまりたのしみのなき
ものゆへ、こゝへきことはきたれども
ほかのものゝやうに、おもしろ
みもなく、たゞ大じんの
きがもつてゐるはながみ
ぶくろへ、ゑんりよなく手を
つゝこんで、たいこ、ちや屋
やりて、わかいものにしうぎを
やり、うれしがらせて
たのしむばかりなり
それよりとこおさまり
ければ、口はきのそばに
つきそいゐて、こゝぞ
口がはたらきをみする
ところと、いろ/\いやらしみを
いひかくれば、女郎も大じんと
みたるゆへ、しよくわいから
おもしろおかしくもてなし
すへは大くせつとなり
もしへ、まことがあらばほり
ものをしなんしヨといわれ
きは、ぐつとのろくなり
ほるきになりければ、むざんや
手はせなかへなにがし
一心命と
古風に、ながめいを
ほられる
②
女郎「ひきやうな
じつ
として
ゐ
なんし
③
手「おれが
ひきやうより
てめへたちが
ひきやう
ばかに
するのだ
「アヽいたひ/\
きうさい
きらひですへぬ
ものを
なんの
こずとも
よかつたに
「なをほつて
血かた
まるとは
おれが
せなかの
事さ
手はたいくつ
して、あたまで
けんをする
「ちへさャァ
④
「ごうさい
⑤
「むかし
くわんうは
ごをうち
ながら、うでの
ほねを
けづら
せたが
おまへは
けんを
うち
ながら
ほりものを
ほらせるとは
がうけつ
/\
⑥
「口がいふ
よいから
きゝづめで
口がいつそ
すくなつた
しかし
おれから
さきへ
生れた
から
しやれ
させ
ては
まけは
しない