①
とうざい/\高ふひかへましたる上ならず、はだかにて
しつれいのだん御ようしや下されませう。さて、
きよねんわたくしども、よりあつまり、ぶてう
ほうなる狂言とりくみ、御らんに入ましたる所
ことの外御評ばんなし下され、大けい仕り
まして御ざります。付まして
とうねんも、さる御ひゐきの
御方さまの御すゝめにより
右後篇をあらはし御らんに
入まする。此艸紙は老子不言の
教に孔子のべつたりといたしたる
しめしをくわへ、荘子の寓言に
浮屠氏のまことから出た方便をとりまぜ
三冊つゞきに仕り御覧に入まする。
人魂の口上さやう[ひやうし木]チヨン/\
山東京伝 戯作
寛政三亥乃春