お江戸のベストセラー

花東はなのおえど頼朝公御入よりともこうおんいり

10

花東頼朝公御入 10

かげ清大仏もちの
みせにとんとおみこしを
すへてなか/\ゑぼし
ひたたれくらいてせうち
せすとてもよりともを
いけをくからは此めを
くりぬいてもうもくと
なるゆへくわん金の
千両をもらつていかふと
ゆすりかける此とき
よりとも公もはやわが
けいりやくを見せん
もふこりやあほうでは
いられぬわへとかのかげ
きよがずきんをひつぱぎ
給えばそのひやうしに団十郎
がにかほのめんおちかほをみ
給へばかぢわらがけらいばん
はの忠太扨こそわがつくり
あほうにてねい人はらの
たくみをみあらわしたり
サア/\のかれぬ所だかげ
きよとなのれとせめ給へは
忠太はくるしきこゑにて
まつたくわたくしはかげ清
ではござりませんぜんたい
こんどのお江戸けん物を
すゝめほうらつにせんと
せしはみんな主人かぢはら
又は岩永どのまたのどのなぞのかげ清
でこざりますとはくじやうする
「今まではとくじ流の道外方になつて
わいらがばけの皮をみぬいたのだ

「岩永またのは
ことあらわれて
は百ねんめと
両人よりとも公
に切りて
かゝる折ふし
さなだの与市
かまくらへかへり
しといつわり
よりとも公と
しめし
合てりよ
じんの
ていにて
此所にしのび
いたり
ければ
立出て
両人に
けじめ
じるを
くは
せる

「わりや
上のま
きては
わかしゆ
であつ
たが
いつの
まにか
やら
うに
なつ


「やらうに
なつたも
やつはり
はか


だは

「アヽいたた/\
あいた
見た
さは
とび
たつ
ばかりと
しやれる
所でも
ねへ