①
				かげ清大仏もちの
				みせにとんとおみこしを
				すへてなか/\ゑぼし
				ひたたれくらいてせうち
				せすとてもよりともを
				いけをくからは此めを
				くりぬいてもうもくと
				なるゆへくわん金の
				千両をもらつていかふと
				ゆすりかける此とき
				よりとも公もはやわが
				けいりやくを見せん
				もふこりやあほうでは
				いられぬわへとかのかげ
				きよがずきんをひつぱぎ
				給えばそのひやうしに団十郎
				がにかほのめんおちかほをみ
				給へばかぢわらがけらいばん
				はの忠太扨こそわがつくり
				あほうにてねい人はらの
				たくみをみあらわしたり
				サア/\のかれぬ所だかげ
				きよとなのれとせめ給へは
				忠太はくるしきこゑにて
				まつたくわたくしはかげ清
				ではござりませんぜんたい
				こんどのお江戸けん物を
				すゝめほうらつにせんと
				せしはみんな主人かぢはら
				又は岩永どのまたのどのなぞのかげ清
				でこざりますとはくじやうする
				「今まではとくじ流の道外方になつて
				わいらがばけの皮をみぬいたのだ
			
②
				「岩永またのは
				ことあらわれて
				は百ねんめと
				両人よりとも公
				に切りて
				かゝる折ふし
				さなだの与市
				かまくらへかへり
				しといつわり
				よりとも公と
				しめし
				合てりよ
				じんの
				ていにて
				此所にしのび
				いたり
				ければ
				立出て
				両人に
				けじめ
				じるを
				くは
				せる
			
③
				「わりや
				上のま
				きては
				わかしゆ
				であつ
				たが
				いつの
				まにか
				やら
				うに
				なつ
				た
				な
			
④
				「やらうに
				なつたも
				やつはり
				はか
				り
				事
				だは
			
⑤
				「アヽいたた/\
				あいた
				見た
				さは
				とび
				たつ
				ばかりと
				しやれる
				所でも
				ねへ
			

