こうして、頼朝公は江戸見物を利用して悪人どもを片づけた。
鎌倉へ帰って、留守を守る重忠に江戸の土産をくだされたが、上に目録と書いて中身は黄色なものだとおっしゃるので、さては金だろうと思って開けてみれば──黄表紙の目録、次のごとし。
酉歳新板目録
孔子縞于時藍染(上中下)
無垢世界 縞黄金肌着八丈(上中下)
花東頼朝公御入(上下)
一百三升芋地獄(上下)
鴫蛤 鳴呼辛気楼(上下)
板元 大伝馬町二丁目
大和田安右衛門
めずらしき趣向、続々出板。お求めご覧くださるよう、お願い申し上げます。