自叙
頼朝公は楽屋での威勢はイマイチだが、その大天窓(大頭)には貴人の気質がある。そこを見こんだ策略で、あたって砕ける岩永左衛門、俣野五郎。その悪臣の狙いは金。だまくら山のうそつき夜に浮かし出したる江戸見物。秩父が四相も鼻明いたり。作者の趣向は、花相似たり、年々歳々、のこのこさいさい──云々。
酉新春
山東京伝 述
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頼朝公は楽屋での威勢はイマイチだが、その大天窓(大頭)には貴人の気質がある。そこを見こんだ策略で、あたって砕ける岩永左衛門、俣野五郎。その悪臣の狙いは金。だまくら山のうそつき夜に浮かし出したる江戸見物。秩父が四相も鼻明いたり。作者の趣向は、花相似たり、年々歳々、のこのこさいさい──云々。
酉新春
山東京伝 述
注釈