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花東はなのおえど頼朝公御入よりともこうおんいり

9

花東頼朝公御入 09

大仏だいぶつくおう

よりとも公
めくりから思ひ付
もちくひをしてあそ
ばんとこんどはぐつとはかなく
出かけ給ひいろけよりくひけ花
よりだんごなどとまけおしみをいひ
給ひあさくさの名物大仏もちにて
一両がけのくひくらを
もやふし給ふ
岩永またのは
ぬす人しやうご
ゆへよりとも公
をさん/\くひ
まかしけり
折ふし
平家の
さむらい
悪七兵衛かげきよ
しゆとのすがたに
身をやつし此所へ
来るよりとも公
こんどはしけたゞ
がわりに
御じ
しん

みとかめ給ひ
これいの通りかのしちにをき給ひしゑぼしひたゝれを
うけ
もどし
これを
やるから
つきなり
とも
きり
なり
とも
又は
七ッやへ
ぶち
ころし
なり
とも
しろ
すな
わち
しんの

じやう
のこじ
ナそんしやうちかとわたし給ふ

「しんのよしやうとやらしんぞふのねぞうと
やらはこつちはしらねへ「これさ今時のかけ清がそんなものをなんに
するものだたか/\あかかねばくのえぼしにすりばくのひたゝれしらうと
きやうけんをしやあしめへし

「四の五の
いわずと
あしもとの
あかるいうち
これをもつていつて
ほうらくでも
おどれさ
「せつかくをれがげび
ぞうをしている所へ
うせてうたせる
そしててめへの
なりは火事
見まいの
かへりを
みるやうだ
もちつと
おもひ
付な
なりで
つけ
ねらへば
いゝ

「名代 大ぶつもち」
「名代 大佛餅」