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花東はなのおえど頼朝公御入よりともこうおんいり

8

花東頼朝公御入 08

質気落しちきおち

よりとも公此たびの女郎の
ほうじやうゑにては大きに
お物が入御用金ももはや
たへ/\になりければ岩永
またのまたおすゝめ申して
舟ゆさんとがうしてゑてきち
をはじめ三人ばくちの
ひとりこじきとたとへの
通りまたの岩永なれやつて
いかさまをし大きにまかし
そのうへゑほふしひたたれを
しちもつにとられ給ひ
今にもかげきよがつけ
ねらふ時はみかわりにやる
しろものしちにとられては
心ほそひと大きにきをおとし
給ひしゆへこれをよりとも
の質気落といふ

「せんどうを
やりのまきや
そはをとりは
どふだ

「その八を
しらねへ
てめへたちは
でへぶゑが
つくぞ
「なにあくゑさ
そしてめくれや
せん
みんなもち
出しさ

「ひるめしは
太郎か
むさしやと
しや
しやう
ただしひね
つて
まつさきの
さき玉や