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花東はなのおえど頼朝公御入よりともこうおんいり

3

花東頼朝公御入 03

石橋いしばしのかつせん

かくて、頼朝公は、
きのつまる
重忠を
るすに
のこし
また
おみやげが
いたいから
しよ大名へも
さたなしにて
岩永俣野真田
三人を御ともにて
しごくおしのびにて
江戸へくだり
給ひほどなく
品川のしゆくも
すぎけふは
江戸いりの

なれば
いつ
はい
いわいに
のみかけんと
岩永俣野が
はからいにて
高なわの石橋
よろづやへたちより
給ひさけの
うへにて
ゑてきちを
おすゝめ申シ
岩永とまたのは
なれ
あいにて
たつ

きり
より
とも
公を
さん/\
にまかし
奉るこれをいまに
よりとも
石橋のかつせん
といふ

またのは
大引きにて
赤蔵ぎなり
赤か九のうへに
あるを
なめていたと
じぶくりをいひ
けんくわになる

「これ与市
まち
やれ
うへ







また
のか




「岩永さんそれみねへ
とんだことをいふせこの九は
おれが所へはいるのだェ
きがちがつたそふだ

「らいちやうの
御ぜんだ
しづまれ/\

「そんなら
まき
なをし
/\

美人捲珠簾深坐
蛾眉但見涙痕湿