お江戸のベストセラー

霞之隅春かすみのくまはるの朝日奈あさひな

11

霞之隅春朝日奈 11

※本文の赤字部分は、早稲田古典籍総合データベースで補完しています。

朝いな小人嶋のさい
字から思ひつき
大人国に
いひふく
めて
百しやう
しきの大
字のせき
書こう
きやう
のすり
物をして



ら中へ
くばり一日
けん長寺の庭で
風雅ふうがの雅の字を
百じやうじきの
紙一ばいにかゝせ
ければかまくら
中のひやうばん
つよくわれも/\と

見物に
来り
朝いな
当日の
せき
りやう
をうんとこさと
いふほどせしめ

これ
にてやつとそん
金を持にする

ひつほう
がかう
なら
コウ
エヽ
なんの
こつた

これは中/\
人間わさで
はならぬ大
仏でもかな
はぬ/\

ヤンヤ/\
これでは
どふか
しやみせんを
ほめるやうだ

祝納所