それ、猟師の佐次兵衛は四国をめぐって猿となり、小林の朝比奈は異国をめぐって、猿隈でその名をとどろかす。
着物の鶴の羽かき合わせ、力自慢の肘を張る(春)の日、朝比奈はふと思いつく。
「もう一度異国へ渡って、こんどは異人を日本へ連れて来たら大ウケだろう。こいつは新しい!」
てなわけで、さっそく用意を始めた。
世の中に寝るほど楽はなきものを、いらぬタワけが起きて働く
樽を枕に朝比奈は、寛々(ゆったり)とこそ伏しにける
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それ、猟師の佐次兵衛は四国をめぐって猿となり、小林の朝比奈は異国をめぐって、猿隈でその名をとどろかす。
着物の鶴の羽かき合わせ、力自慢の肘を張る(春)の日、朝比奈はふと思いつく。
「もう一度異国へ渡って、こんどは異人を日本へ連れて来たら大ウケだろう。こいつは新しい!」
てなわけで、さっそく用意を始めた。
世の中に寝るほど楽はなきものを、いらぬタワけが起きて働く
樽を枕に朝比奈は、寛々(ゆったり)とこそ伏しにける
注釈