お江戸のベストセラー

霞之隅春(かすみのくまはるの)朝日奈(あさひな)

8

霞之隅春朝日奈 08

▼開

※本文の赤字部分は、早稲田古典籍総合データベースで補完しています。

①

朝いなは手長
嶋がぬす人こん
じやうのある事
をしりごにちの
なんぎをおそれ
て国へかへさんとおもへども
ゑんろのことゆへたゞもかへ
されまじとよいほどに路
用金をつかはしさう/\
内をおひ出すこれ手切
かねのはじめなり又ぬす
みするものを手が長い
といふも此ときよりぞ
はじまりける

②

「一ときも
おくことは
ならぬこれを
もつて出て
うしやう

③

「きのふやけふのこと
かいな左りのかいな
右のかいなかいなく
たん名こそ
おしけれ

④

アヽめんほくもない
今めがさめました
手の長いははなの
下の長
にはおとり
でござり
ます
アヽ
うでが
かたきの
よの中
じや
ナア
「あたまを
かくにさへ
手
おもくて
かゝ
れぬ

これくろさん
おめへの
目つきにやァ
やつがれ
すこし
きた山
しぐれだ

⑤

いけすかねへくろんぼうなの
かのといつてくんなさんな
そりやァむかしのこつたァナ

⑥

くろん
ぼうの女
今はうつくし
きしろものと
なり
ちとうぬほうさ