※本文の赤字部分は、早稲田古典籍総合データベースで補完しています。
①
朝いなは手長
嶋がぬす人こん
じやうのある事
をしりごにちの
なんぎをおそれ
て国へかへさんとおもへども
ゑんろのことゆへたゞもかへ
されまじとよいほどに路
用金をつかはしさう/\
内をおひ出すこれ手切
かねのはじめなり又ぬす
みするものを手が長い
といふも此ときよりぞ
はじまりける
②
「一ときも
おくことは
ならぬこれを
もつて出て
うしやう
③
「きのふやけふのこと
かいな左りのかいな
右のかいなかいなく
たん名こそ
おしけれ
④
アヽめんほくもない
今めがさめました
手の長いははなの
下の長
にはおとり
でござり
ます
アヽ
うでが
かたきの
よの中
じや
ナア
「あたまを
かくにさへ
手
おもくて
かゝ
れぬ
これくろさん
おめへの
目つきにやァ
やつがれ
すこし
きた山
しぐれだ
⑤
いけすかねへくろんぼうなの
かのといつてくんなさんな
そりやァむかしのこつたァナ
⑥
くろん
ぼうの女
今はうつくし
きしろものと
なり
ちとうぬほうさ