※本文の赤字部分は、早稲田古典籍総合データベースで補完しています。
①
小人嶋は日本めつらしくそこら
あたりをみあるきしが大風ふき
来りこくうへふきあけうらの
井戸の中へふきおとす朝いな
大事の代物をなくしてはおもし
ろからずとあはてふためき
たすけんとおもへ
どもきうにしやう
のなき折りから
手長嶋こゝそ
わが自由を
みするばしよ
とすこしも
さはかずかた
はだぬいで
井戸へ手を
さしのべなん
のくもなく
つまみ出す
此ときみな/\
手長嶋をかん
ぜぬもの
こそなかり
ける
②
「それごらうじろ
なつたり/\と
三べんかき
まはし
ますと
たち
まち小人
嶋が
出
ま
す
③
ヲヤ/\
けしからぬ
ふかい
井戸だの
④
にようごの嶋井戸を
のぞきみんとするを
あさいな引とめる
「これべらぼうめ
井戸をのぞいて
又てゝなしごを
はらまうと
おもつて
井戸のふかいより
てまへがひつぶかいは
⑤
「ふか井
戸も
そのあじ
わひを
しらずは
どうで
ござり
やす