※本文の赤字部分は、早稲田古典籍総合データベースで補完しています。
①
かくて朝いなはふたゝ
びゐこくへわたりてゐこく
の人物を一人つゝつれて
ほどなく日本へたち
かへるそのゐこく人と
いつば「大人国「小人
嶋「せい高嶋「手長嶋
「にようごの嶋
「くろんぼう女
「穿胸国といふて
はらにあなのある国
の人つがう八人きやう
れつたゞしくまづ
長さきへつきかまくら
へといそぐ
朝いなはどふいふ
きか女ごの嶋と
くろんぼうの女
をば日本のふう
ぞくにしてつれ来る
思ふに朝いなくさざうし
つうにてゑがらのおも
しろいやうにとの
心づかひとみへたり
②
「小人嶋曰これ大人国も
ちつとはなれあゆんで
くだせへいとゞちいさくみ
へると大おんじやうにいへど
大人国のみゝへはかのなく
やうにて一こうきこへず
③
大人国万八
をいふ
みんな
にはみへ
めへがおれ
にはもふかま
くらが
みへるは/\
ツヽテン/\
④
せいたかじま曰
わたしがおともする
からは川どめのあん
じはねへのさ
⑤
わつち
とおまへ
がこうつ
れだつた所
はかさもりの
米のだんごと
土のだんごと
いふものだね