お江戸のベストセラー

霞之隅春かすみのくまはるの朝日奈あさひな

2

霞之隅春朝日奈 02

※本文の赤字部分は、早稲田古典籍総合データベースで補完しています。

かくて朝いなはふたゝ
びゐこくへわたりてゐこく
の人物を一人つゝつれて
ほどなく日本へたち
かへるそのゐこく人と
いつば「大人国「小人
嶋「せい高嶋「手長嶋
「にようごの嶋
「くろんぼう女
穿胸国せんきょうこくといふて
はらにあなのある国
の人つがう八人きやう
れつたゞしくまづ
長さきへつきかまくら
へといそぐ
朝いなはどふいふ
きか女ごの嶋と
くろんぼうの女
をば日本のふう
ぞくにしてつれ来る
思ふに朝いなくさざうし
つうにてゑがらのおも
しろいやうにとの
心づかひとみへたり

「小人嶋曰これ大人国も
ちつとはなれあゆんで
くだせへいとゞちいさくみ
へると大おんじやうにいへど
大人国のみゝへはかのなく
やうにて一こうきこへず

大人国万八
をいふ
みんな
にはみへ
めへがおれ
にはもふかま
くらが
みへるは/\
ツヽテン/\

せいたかじま曰
わたしがおともする
からは川どめのあん
じはねへのさ

わつち
とおまへ
がこうつ
れだつた所
はかさもりの
米のだんごと
土のだんごと
いふものだね