お江戸のベストセラー

悪七変目あくしちへんめ景清かげきよ

2

悪七変目景清 02

あけまして
よい
春の事なりしが
より朝公景清が
くりいだせし両の
目玉を緒じめに
でもしろとて重
忠にくだされしが
ばからしいより
ともさまとした
事が生の目が
どうしてをじ
めになるものか
いゝものをやらう
といつてだまさ
しつたとしんぞう
しゆのいふよふなせり
ふにてとあるはき
だめへすてゝしまい
けるが此ごろきけば
かの両がん此かまくらニ
はいくわいして平家
のあたよりともをにら
みころしてくれんとう
するかながひ目でご
らうじろなどゝ
きながなむ
ほんを
たくむよしその
ままにすておか
れず古例の通り
岩永重忠に一月
かはりニせんぎのや
く目をこう
むり
ける

「さすれば両がん
めらは今にとく
しんせぬとみへ
ます

十目所視