頼朝公のおん頭の張り子は、なかなか乾かない。そのうち雨も降り続いたので、しかたなく多くの合羽で包んだら、まるで品川海晏寺の合羽大仏のようになってしまった。
鎌倉中の老若男女が、大仏参詣だといってデカ頭参りでたいへんな賑い……と聞いたかと思えば、そのまま、夢はさめてしまう。
ああ、めでたい、めでたい。
芝桜川慈悲成 作
豊国 画
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頼朝公のおん頭の張り子は、なかなか乾かない。そのうち雨も降り続いたので、しかたなく多くの合羽で包んだら、まるで品川海晏寺の合羽大仏のようになってしまった。
鎌倉中の老若男女が、大仏参詣だといってデカ頭参りでたいへんな賑い……と聞いたかと思えば、そのまま、夢はさめてしまう。
ああ、めでたい、めでたい。
芝桜川慈悲成 作
豊国 画
注釈