平家の侍大将・悪七兵衛景清は、頼朝公に一太刀うらみ晴らさんと、時にはういろう売り、もぐさ売りと姿を変えてつけ狙ったが、なかなかうまくいかず、むなしい日々を送っていた。
そんな時、頼朝公のおん頭が置いてあるところに笹竜胆の幕があるのを見つけて、張り子とは気がつかず、大仏供養のときのように僧兵に変装して入り込んだ。
畠山重忠に気づかれたが、重忠は例のデカ頭をかぶっているので、まわりがよく見えない。
「景清、三度までは見逃がす、見逃がす!」
ただ負け惜しみを言うばかり。
景清「これはなんと珍しや。畠山どのの顔に冬瓜が実りましたな。なんとまあ、いい肥やしをした畑(畠)山どの。」
「景清、待て…待て…待て…。」
重忠はとりあえず叫んだが、その声デカ頭にこだまして、ただむなしく響くだけ…。