お江戸のベストセラー

大悲千禄本だいひのせんろくほん

4

大悲千禄本 04

てのなひけいせいども
せんじゆの御てにて
きやくをだます
たれどもそんりやう
がりの御てなれば
あいだにとりに
くるには
たび/\
こまる

このこはきやくじんの
みていさつしやるに
きのつかねへ
はやくもつて
いきやな

かぶろと
いふものは
おてがなるなら
てうしと
さとる
もんだ
きやくじんは
おてが
ないなら
せうしと
さとん
なんし

それでもとりに
きんしたものを

おそろ
しく
ての
ある
ひとだ
ての
たこの
よふだ

むひつなやつ
せんじゆの
おてをかり かう
まんに
てがみ
しやうもん
などを
かけ








れば
ぼん


かり

きていて
ひとつも
つうよう
せず
しわいやつの
りやうけんはかくべつ
たゞかへすのもそんなりと
つめへひをとぼし
らうそくのかわりにする
これてしよくのはじまり
なりというもひさしいやつさ

ぼんじとしよじやうととりちがへ
いまにもよふじといふならば
ぼんじでしよじやうがかゝりようか
へんちき/\
/\よ

あついよふ/\

はて
やかましい
らうそくだ

(梵字:聖観音の種字)

(梵字:聖観音の真言)
オン アロリキャ ソワカ

(『千字文』の篆書)
秋収
冬蔵
閏余
(成歳)