お江戸のベストセラー

大悲千禄本だいひのせんろくほん

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大悲千禄本 01

千手せんじゅ観音といえど不景気には勝てず、千の御手を貸し出すことにしたのは、なんともお気の毒なことである。
よほど、せんじゅ詰めたのだろう。

一本一両、合わせて千両の手切れ金で、面皮屋つらのかわや千兵衛という食わせ者とその手代、てれめんてい兵衛が千手の御手を切り取っている。

千手観音
千手観音

千手観音
「はじめの三本まではこたえたが、もうイタくもない。悪い手があってもお金は返さないよ。」

てれめんてい兵衛

てれめんてい兵衛
「こちらのほうは、バラすのにだいぶ手こずりました。」

千両箱

手切り金の千両箱。